空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

春の雨

 春の雨が

 ふっています。

 

 しずかに しずかに。

 

 あたりは

 ほのかな あまい 香りで

 いっぱいに なり

 わたしは うっとりと

 めを とじるのです。 

 

 春の雨が

 ふっています

 

 ていねいに ていねいに。

 

 すべての ものを

 いとおしむ ように。

 わたしは

 からだの なかも こころの なかも

 すみずみまで うるおって ゆくのです。

 

 春の雨が

 ふっています

 

 やさしく やさしく。

 

 おさないこを

 そっと つつむように。

 わたしは とても 安心して

 ほほえむ のです。

 

 春の雨が

 ふっています。

 

 天上に 花が

 咲きあふれた よろこびに

 春の 神さまが

 雨を ふらせて います。

 

 このうえなく

 うつくしい  うつくしい

 雨を。

 

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