秋 って おかあさん みたいだな

　秋　って

　おかあさん　みたいだな。

　きれいな　きれいな　

　おかあさん　みたいだな。

　きれいな　秋風さんは

　おかあさんの　きれいな　ほほえみ　みたい。

　だって

　秋風さんに　ふかれていると

　ぼくの　まつげも　ほっぺも　スーッと

　すきとおって　くるんだもの。

　やさしく　やさしく　

　すきとおって　くるんだもの。

　きれいな　秋の雨さんは

　おかあさんの　きれいな　おこえ　みたいなんだ。

　秋の雨さんたちの　おうたを　きいていると

　おかあさんが　おはなし　してくれる

　きれいな　おとぎばなしを

　きいている　みたいなの。

　きいているだけで

　ぼくの　おみみが　

　とっても　きれいに　なるの。

　きれいな　秋の日ざしさんは

　おかあさんの　あったかーい　おでこ　だよ。

　このあいだね、ぼく

　おかあさんの　おでこに　さわったの。

　そうしたら　

　とーっても　あったかい　きもちに　なったの。

　そして　そして

　みんなを　すごーく　たいせつに　したくなったの。

　きっと　きれいな　あったかーい　きもちが

　ぼくに　うつったんだね。

　それからね　それからね。

　きれいな　秋の音さんたちは

　おかあさんの　おこころ　みたい　なのです。

　だって、きいているだけで

　ぼくの　こころが

　スィーン　って　すきとおって　くるんだもの。

　おにわで　いしころさんたちが　おまつり　している　音も

　どこかで　こびとさんたちが　なわとび　している　音も

　とおくで　お山さんたちが　おんがく　している　音も

　きいているだけで

　ぼくの　こころが　スィーン　スィーン　って

　きれいに　すきとおって　くるんだもの。

　秋　って

　おかあさん　みたいだな。

　とーっても　すきとおった

　きれいな　きれいな

　おかあさん　みたいだな。

　

葉っぱさん って すごいな

　葉っぱさん　って

　すごいな。

　ほんとうに　ほんとうに

　すごいな。

　ひかりさんたちを　からだ　いっぱい

　うけとめている。

　うれしそうに　うれしそうに

　うけとめている。

　　　ひかりさん、

　　　いつも　ありがとう！

　って　にこにこ　にっこり　

　うけとめている。

　みて！　ひかりさんたちが

　ますます　ピカー　って　かがやいて　いるよ。

　ひかりさんたちも　葉っぱさんが

　だいすき　なんだね。

　もしかしたら

　葉っぱさんは　ひかりさんたちの

　おざぶとん　なのかしら。

　葉っぱさん　って　すごいな

　雨さんたちを　からだ　いっぱい

　うけとめている。

　きもちよさそうに　きもちよさそうに

　うけとめている。

　　　雨さん、きれいに　あらって　くれて

　　　ありがとう！

　って　うれしそうに　うれしそうに

　うけとめている。

　雨さんたちも　とっても　きもちよさそう　だよ。

　だって、雨さんたち　すごーく　

　たのしそう　なんだもの。

　ほら、

　みんなで　ツーイ　ツーイ　すべって　いるよ。

　　　すてきな　すべりだい　だね！

　って　みんなで　たのしそうに

　すべって　いるよ。

　葉っぱさん　って

　すごいな。

　風さんたちを　からだ　いっぱい

　うけとめている。

　やさしく　やさしく　うけとめている。

　風さんたちも　すごーく　たのしそう　なんだ。

　葉っぱさんに　のって

　　　　すてきな　ブランコ　だね！

　って　みんなで　にっこり

　あそんで　いるんだもの。

　葉っぱさん　って　

　すごいな。

　神さまたちの　やさしい

　まなざしも　えがおも　おこころも

　うけとめている。

　しあわせそうに　しあわせそうに

　からだ　いっぱい　うけとめている。

　もしかしたら

　葉っぱさん　って

　神さまたちの　おにわ　なのかしら。

　うつくしい　うつくしい

　おにわ　なのかしら。

　だって

　神さまたち、ピクニックを　していたんだもの。

　ちいさな　むしさんたちと　いっしょに

　たのしそうに　ピクニックを　していたんだもの。

　お星さまたちが　つくってくれた

　ピッカピカの　きれいな　クッキーを　もってね。

　葉っぱさん　って

　すごいな。

　ほんとうに　ほんとうに

　すごいな。

　このせかいの　いろーんな　ものを

　このせかいの　いろーんな　ぜーんぶを

　うけとめている。

　ありがとう！　って

　うけとめている。

　

アリの みーちゃんが いいました

　アリの　みーちゃんが

　ぼくを　みて　いいました。

　　　きみは　お菓子さん　なの？

　　　なんだか　あまーい　においが　するよ。

　って　にっこり　しながら　いいました。

　バッタの　たけしくんも

　ぼくを　みて　いったの。

　　　きみは　お山さん　だろう？

　　　だって、こーんなに　おおきいんだもん。

　　　みどりの　においだって　するよ。

　って　おめめを　まあるく　しながら　いったの。

　　　きみは　おんがくさん　だよね？

　　　ほら、いつも　いつも

　　　おうたを　うたっているし、

　　　ダンスだって　じょうず　なんだもの。

　って　いってくれたのは

　かたつむりの　さちおくん　なんだ。

　ちょうちょうの　マリさんも　

　ぼくを　みて　つぶやいたんだよ。

　　　きみは　きみは

　　　ええーっと　ええーっと

　　　風さんの　こども　かしら？

　　　だって

　　　ときどき　ビューン　ビューン　って

　　　はしって　いるんだもの。　

　って、ちょっぴり　おくびを　かしげてね。　

　いしころの　トムくんは

　　　きみは　お日さまの　おまごさん　でしょ？

　　　きみが　そばに　いると

　　　ふんわーり　あったかよ。

　　　春みたいに　ふんわーり　あったかいよ。

　って、しあわせそうに　いってくれたの。

　でんしんばしらの　まさおさんが

　いったのはね。

　　　きみ　って　もしかしたら　

　　　ゆうびんポストさんの

　　　おまごさん　なのかも　しれないなぁ。

　って。

　きっと、ぼくの

　おぼうしと　かばんと　おくつが

　まっ赤　だからだね。

　それでね、ぼく

　お空に　きいて　みたのです。

　　　ぼく　って　なあに？

　って。

　そうしたらね　そうしたらね。

　　　きみは、

　　　草さんで、みみずさんで、コップさんで...

　　　ボールさんで、トカゲさんで、

　　　タツノオトシゴさんで、えんぴつさんで...

　　　このせかいの

　　　いろーんな　みーんな　なんだよ。

　　　そして　そして

　　　このせかいの　ぜーんぶの　みーんなと

　　　おともだち　なんだよ。

　って　おおきな　えがおで　いってくれたの。

　もう、ぼく

　すごーく　すごーく

　びっくり　しちゃったの。

　ほんとうに　ほんとうに

　びっくり　しちゃったの。

　そしてね

　そしてね

　ものすごーく　うれしかったんだ。

　ものすごーく　たのしかったんだ。

　ものすごーく　しあわせだったんだ。

　だって、なんといっても

　いろーんな　みーんなと　

　このせかいの　ぜーんぶの　みーんなと

　おともだち　なんだもの！

　

タニシさんの おさんぽ

　タニシさんが

　おさんぽ　してる。

　のんびり　のんびり

　おさんぽ　してる。

　風さんが　ふいても

　雨さんが　ふっても

　雪さんが　ふっても

　かみなりさまが　うたっても

　　　いい　おてんき　だなぁ

　って　ニコニコ　ニッコリ。

　とっても　うれしそうです。

　きっと

　いろーんな　おてんきが

　だいすき　なんだね。

　タニシさんが　

　おさんぽ　してる。

　のんびり　のんびり

　おさんぽ　してる。

　やさしい　園長先生　みたいにね。

　ほら、めだかの　あかちゃんたちが

　あそんでいるのを

　たのしそうに　みているよ。

　おたまじゃくしさんたちが

　おゆうぎ　しているのを

　うれしそうに　みているよ。

　　　みんな　かわいいなぁ

　って　しあわせそうに　みているよ。

　ゆっくり　ゆっくり

　うなずき　ながらね。

　やさしい　院長先生　みたいに

　おさんぽ　している　ときも　あるんだよ。

　だって

　ザリガニさんが　じーっと　してたらね、

　　　ちょうしは　いいのですか？

　って　やさしく　ながめて　いたんだもの。

　水草さんが　たおれて　いたら

　　　おなかが　いたいのですか？

　って　やさしく　そばに　いたんだもの。

　びっくり　したのはね。

　ときどき

　お水さんに　プッカリ　

　さかさまに　うかびながら

　のーんびり　おさんぽ　しているの。

　どうやら

　お水さんと　いっしょに

　たびに　でかけてる　みたいなんだ。

　とおい　とおい

　海さんに　あいたくて

　とおい　とおい

　オーロラさんたちや　しろくまさんたちに　あいたくて

　たびに　でかけてる　みたいなんだ。

　あれ？

　きょうは

　ずいぶん　おめかしを　して

　おさんぽ　しているよ。

　もしかしたら

　のんびりやさんの　神さまに

　あいに　ゆくのかしら。

　のんびりやさんの　神さまと

　のんびり　しあいっこ　するのかしら。

　

ツユクサさん なあにを なあにを きいてるの？

　ツユクサさん

　ツユクサさん

　あおい　花びらが

　かわいい　おみみ　みたいだな。

　おかおを　すこーし　かたむけて

　なあにを　なあにを　きいてるの？

　土の　なかの

　うつくしい　おんがくを

　きいて　いるのかしら。

　もしかしたら

　みみずさんたちの　おんがく　なのかしら。

　みみずさんたちが　おまつり　している

　ふえや　たいこの

　うつくしい　うつくしい

　おんがく　なのかしら。

　風の　なかの

　きれいな　おんがくも

　きいて　いるんだね。

　風さんたちが　つれてきてくれた

　とおい　とおい　おくにの

　きれいな　おんがくを

　きいて　いるんだね。

　ペンギンさんと　しろくまさんの

　きれいな　おはよう！　の　おうたや

　キリンさんと　かばさんの

　きれいな　こんにちは！　の　おうたや

　ラクダさんたちや　ロバさんたちの

　きれいな　ゆうべの　おいのりの　おうたを

　きいて　いるんだね。

　いろーんな　ゆめさんたちの　おんがくも

　きいていると、おもうんだ。

　しゃぼんだまさんたちの　ふわふわの　ゆめや

　おてだまさんたちの　ぽんぽんの　ゆめや

　おりがみさんたちの　ぴきぴきの　ゆめさんたちの

　うつくしい　うつくしい

　うすむらさきいろの　おんがくを

　きいていると、おもうんだ。

　たのしい　おんがくも

　きいて　いるみたい。

　天の　おくにの

　たのしい　おんがく　なのかしら。

　虹さんが　ハープを　つまびいて

　かみなりさまが　フルートを　ふいて

　お日さまが　トライアングルを　たたいて

　お星さまたちが　バイオリンを　かなでている

　たのしい　たのしい

　おんがく　なのかしら。　

　ツユクサさん

　ツユクサさん

　あおい　おみみの

　ツユクサさん

　おくびを　すこーし　かたむけて

　なあにを　なあにを　きいてるの？

　きっと

　神さまたちの

　うつくしい　うつくしい　

　おんがくも　きいて　いるんだね。

　

ブンブンさんの おはなし

　こんにちは！

　ぼくは　

　ブンブンです。

　ほんとうは

　カナブン　って　いう

　なまえ　らしいの。

　でも

　ブーン　ブーン　って　とぶから

　ブンブン　なんだって。

　ぼくね、

　ブーン　ブーン　って

　とぶのが　だいすき　なんだ。

　だって

　ブーン　ブーン　って　とんでると

　ものすごーく　げんきが　でてくるんだもの。

　ぼく、あいさつ　するのも　

　だいすき　なんだよ。

　ブーン　ブーン　って　とんでいって

　いろーんな　みんなに　あいさつ　するの。

　ちゃんと　とまろうと　がんばるんだけれど

　どうしても　みんなに　

　ぶつかって　しまうんだ。

　でもね、ぶつかっても

　みんな　とーっても　やさしいんだよ。

　でんしんばしらさんに　ぶつかったらね。

　　　あら？　ブンブンさん

　　　きょうも　とっても　げんきだね！

　って　にっこり　わらって　くれるんだ。

　ベンチさんなんか

　　　こんにちは！　

　　　あそびに　きてくれて　ありがとう！

　　　ゆっくり　おひるね　していってね。

　って　とっても　あったかいの。

　このあいだね

　のらねこさんに　ぶつかって　しまったの。

　そうしたら

　のらねこさん、おすまし　しながら

　　　たまには　いっしょに

　　　おさんぽ　しませんか？

　って　ぼくを　おせなかに　のせて　くれたんだよ。

　いつも　いつも　おだやかなのは

　いしころさん　なのです。

　　　あれ？　いまなんか　ぶつかったかしら。

　　　もしかしたら

　　　天使さん　なのかしら。

　って　にっこり　わらってるの。

　きっと、いしころさん　って

　天使さんの　おともだちが

　たーくさん　いるから　なんだね。

　それからね　それからね

　ぼく、ときどき　いきおいが　よすぎて

　ひっくりかえっちゃうんだよ。

　でも、なんだか

　たのしくって　おもしろくって

　そのまんま　しあわせだなぁ！　って

　お空を　ながめてるの。

　どうやって　おきあがるの？　って？

　だいじょうぶ！

　かならず　どこからか

　やさしい　だれかさんが　やってきて

　おこして　くれるんだもの。

　もう、ぼく

　うれしくって　うれしくって

　またまた　ブーン　ブーン　って

　とびたく　なるの。

　ね、

　みーんな　やさしい　でしょ？

　みーんな　あったかい　でしょ？

　さぁ！

　きょうも　ブーン　ブーン　って

　あいさつをしに　とんでゆくよ！

　だいすきな　だいすきな

　せかいじゅうの　みんなの　ところへね！

　

お花の おうちに すみたいな

　お花の　おうちに

　すみたいな。

　アリさん　みたいに

　ちいさく　なって

　お花の　おうちに

　すみたいな。

　タンポポさんの　おうちに

　すめたら　いいな。

　そうしたら

　わたげさんに　のって

　まいにち　たびを　するのにな。

　かみなりさまの　お花ばたけや

　こだまさんたちの　ゆうえんちへ

　のんびり　のんびり

　たびを　するのにな。

　チューリップさんの　おうちに

　すめたら　いいな。

　そして　そして

　ふんわり　すわって　あみもの　するの。

　いしころさんたちの　おぼうしや

　アリさんたちの　マフラーや

　バッタさんたちの　てぶくろを

　あみもの　するの。

　スミレさんが　おうちだと

　いいな。

　ヤモリさんや　ガガンボさんや　

　みみずさんを　おまねきして

　いっしょに　おやつを　いただくんだ。

　いっしょに　おうたも　うたって

　いっしょに　かくれんぼも　して

　いっしょに　おひるねも　しようかな。

　アサガオさんの　おうちに

　すめたら、

　きっと　あさひさんの　

　おともだちに　なれるね。

　あさひさんと　いっしょに

　あさつゆの　ジュースを　のんだり

　おさんぽ　したり

　おてがみ　かいたり

　おりがみ　したり...

　いっしょに　おえかきも　しようかな。

　それからね　それからね。

　アジサイさんの　おうちに

　すめたらね。

　カタツムリさんや　アマガエルさんや

　雨つぶさんと　いっしょに

　おいのりを　するのです。

　お星さまの　とーっても　きれいな　よるに

　そおっと　そおっと

　おいのりを　するのです。

　お花の　おうちに

　すみたいな。

　お花の　おうちに

　すみたいな。

　アリさん　みたいに

　ちいさく　なって

　すみたいな。

　ちいさな　ちいさな　

　神さまたちと　いっしょにね。