空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

さざんかさんの おはなし

 こんにちは!

 ぼくは

 さざんかです。

 

 ぼくね、

 みんなから

 ストーブ みたい って

 いわれてるの。

 

 ぼくの

 お日さまいろの おしべが

 ストーブ みたいに

 とーっても あったかいんだって。

 

 さっきもね、

 メジロさんたちが やってきて

 あったまって いったんだよ。

 おれいに チッ チュル チー って

 かわいい かわいい 

 ありがとうの おうたも うたって くれたの。

 

 ハナアブさんたちも やってきたよ。

 お羽を なないろに キラキラ させながら

 あったかいなぁ あったかいなぁ って

 うれしそうに あったまってた。

  さざんかさん ありがとう! って

 キラキラの かわいい おじぎも してくれたんだ。

 

 とおくから やってきた

 風さんたちは

 ぼくの おしべの そばで

 ひとやすみ してゆくのが すきみたい。

 しあわせそうに

 のんびり のんびり おひるねを したら

 また どこかへ

 げんきに とんで いったよ。

 

 花びらの じゅうたんに すわって

 しずかに おはなし するのは

 日ざしさんたち。

 きっと、春の うれしい うれしい

 おはなしを していたんだね。

 にこにこ にっこりの

 おはなしを していたんだね。

 

 こびとさんたちも くるんだよ。

 なかよしの いしころさんと おててを つないでね。

 どうやら

 ピクニックに きていた みたいなんだ。

 春の 絵本も ひろげて 

 たのしそうに たのしそうに

 ピッカピカの えがおで よんでいたよ。

 

 こうして

 まいにち まいにち

 いろーんな みんなが 

 あそびに きてくれるんだ。

 もう うれしくって たのしくって。

 ぼく、

 すごーく すごーく

 あったかーい きもちに なるの。

 どんどん どんどん

 あったかーい きもちに なるの。

 

 そうしたらね...

 ぼくの お花が いっぱい 咲いて しまうのです。

 あふれる くらいに

 いっぱい いっぱい お花が 咲いて しまうのです。

 ふしぎだなぁ。

 

 それからね

 それからね

 

 ぼく、

 みつけたの。

 

 春の あかちゃんが

 ねむって いるのを みつけたの。

 ぼくの おしべに つつまれて

 しあわせそうに ふんわり ふんわり

 ねむって いるのを みつけたの。

 

 きっと

 春の おかあさんも いっしょに

 お花の なかに いると おもうんだ。

 

 だって、どこかしら

 春の においが したんだもの。

 

 やさしくって

 あったかーい あったかーい

 春の においが ね。

 

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