空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

ひとみを とじたら

 ひとみを とじたら

 おかあさんの やさしい おかおが うかぶよ。

 犬の シロが しっぽを ふって いるのもね。

 

 ひとみを とじたら

 まっ青な 空が からだの なかに ひろがって

 ともだちの たのしい えがおが うかぶよ。

 

 そしてね

 そおっと ひとみを あけたら

 おかあさんの すがたが みえて

 シロの こえが きこえて

 よかったなあ って

 うれしいなあ って

 ぼくは にっこり します。

 

 ふしぎなのはね。

 おかあさんの ことも

 シロの ことも

 ともだちの ことも

 もっと もっと

 すきに なって いるのです。

 

 いまから

 ともだちに あいに いってきます。

 ひろーい ひろーい

 まぶしい まぶしい

 ほんとうの 青空の なかを。

 

 シロと

 いっしょにね!

 

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セミ

 おはよう!

 ぼくは

 セミです。

 

 地上に やっと でて これたのが

 うれしくて うれしくて うたっています。

 

 空だよ 空だよ

 空が みれて うれしいな。

 

 風だよ 風だよ

 風に ふかれて うれしいな。

 

 光だよ 光だよ

 光に つつまれて うれしいな って。

 

 だいすきな 夏の においの なかで

 ちから いっぱい うたって いると、

 ますます うれしく なって

 こころが かがやく のです。

 

 そしてね

 ずっと あいたかった お日さまに、

 やっと あえた お日さまに、

 よろこびの 歌を うたいます。

 

 ありがとう ありがとう

 しあわせ しあわせ

 

 と、 なんどでも なんどでも。

 

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小鳥の こころ

 小鳥の こころは

 朝の こころです。

 

 いつも まっさらな きもちに あふれていて

 であうたびに 「おはよう」「おはよう」 って

 あいさつを してくれます。

 

 小鳥の こころは

 朝の こころです。

 

 きれいな お水で あらった ような

 はじめて ものを 見る ような

 いつも 清々しい おかおを しています。

 

 朝の こころで うたって いるから

 空も 風も お日さまも

 きもちよさそう。

 しあわせそう。

 

 きっと

 小鳥は 朝が とっても

 すきなのです。

 

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三日月さま

 三日月さまが

 おはなしを しています。

 かわいい きれいな おはなしを。

 

 星たちは こころを かがやかせ

 耳を すまして きくのです。

 おれいに キラキラ きらめいて

 パチパチ はくしゅを しています。

 

 三日月さまが

 おはなしを しています。

 美しい しずかな おはなしを。

 夜は とても ゆたかな きもちになって

 家たちを そっと やさしく つつんでいます。

 

 そして、

 世界は ますます 透きとおって ゆき、

 わたしは とっても しあわせな きもちに なって

 眠るのです。

 

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そよ風

 そよそよ そよ風

 どこから きたの?

 

  かわいい お花を みてきた ところよ。

  子猫の しっぽも さわって きたの。

  小鳥の あかちゃんを そっと つつんで あげたり

  子犬の おでこも なでて きたのよ。

 

 そよそよ そよ風

 どこへ ゆくの?

 

  やさしい きもちに なって

  しあわせな きもちに なって

  もっと もっと そよそよ そよそよ

  したく なりました って

  おしらせに ゆくのです。

  風の 神さまの ところへ。

 

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言葉

 言葉が 好き。

 とても 好き。

 

 空も 海も

 月も 星も 太陽も

 山も 川も それから...

 木や 花や 生きものたちや

 まわりの すべての ものも

 みんな それぞれの 言葉で

 おはなしを してくれます。

 

 よろこびの きもちを

 しあわせの きもちを

 おはなし してくれます。

 

 みんなの 言葉で

 いっぱいに なった わたしは

 よろこびに しあわせに あふれるのです。

 

 言葉が 好き。

 とても 好き。

 

 そんな きもちを

 こうして だれかに つたえられる

 人の 言葉が

 いちばん 好き。

 

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風鈴

 風鈴が うたっています。

 風が あそびに きてくれたのが うれしくて。

 とても 澄んだ 声なので

 あたりの 空気は 透きとおって ゆくのです。

 

 風鈴が うたっています。

 風と あそんで いるのが たのしくて。

 とても あかるい 声なので

 あたりの 空気は かがやき はじめるのです。

 

 水が ながれるように

 星が きらめくように

 風と あそべる よろこびを

 うたっています。

 

 とても

 きれいな きれいな こころで。

  

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