空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

きたかぜさん きたかぜさん どこ ゆくの?

 きたかぜさん 

 きたかぜさん

 どこ ゆくの?

 

 ピュー ピロ

 ピュー ピロ

 笛 ふいて

 

 うれしそうに うれしそうに

 どこ ゆくの?

 

   おともだちの ミカンさんたちに

   あいに ゆくんだよ。

   あまーく なあれ! の

   おまじないを かけにね。

   ミカンさんたち、ぼくが くるのを

   まって くれているの。 

   お日さまいろの えがお

   まって くれているの。

 

   なかよしの サクラさんたちにも

   あいに ゆくのです。

   きれいに きれいに 咲く

   おまじないを かけにね。

   サクラさんたちも やさしい えがお

   ぼくを まっていて くれるんだよ。

  

 きたかぜさん

 きたかぜさん

 どこ ゆくの?

 

 ピュー ピロ

 ピュー ピロ

 笛 ふいて

 

 そんなに いそいで

 どこ ゆくの?

 

   春の お国への おでかけ なの。 

   春の あかちゃんが

   うまれた おいわいに かけつけたくて

   いっしょうけんめいに はしって いるのです。

   ふわふわ 雲さんで あんだ

   まっしろな セーターを

   おみやげに もってね。

 

   春の 神さまも

   ぼくを まっていて くださるんだよ。

   春の お花さんたちや 小鳥さんたち

   ちょうちょうさんたちに みつばちさんたち、

   いろーんな 春の みんなと いっしょに

   にこにこ しながら まっていて くださるんだよ。

 

   それにね、

   春の 神さまは

   ぼくの 笛の おんがくが

   だいすき なんだって。

   ぼくの 笛を ききながら

   みんなで いっしょに 

   おうたを うたったり

   ダンスを したり

   それは それは たのしそう なの。

 

   どうやら ぼくの 笛は

   春の みんなの やさしい きもちを

   もっと もっと 

   やさしく するみたいなんだ。

   あったかい きもちを

   もっと もっと

   あったかく するみたいなんだ。

 

   ぼく、

   もう うれしくて うれしくて

   こころを こめて 笛を ふくの

 

   ピュー ピロ

   ピュー ピロ

   ピロ ロロ ロー

 

   ピロ ピロ ピロロン

   ピュー ピロロー

 

   はやく はやく

   春に なあれ! って。

 

   だって

   ぼく、

   春が

   春の みーんなが

   だいの だいの だーいすき なんだもの!

 

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