空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

春の あかちゃん みつけたよ

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 いしころさんの おむねの なかで

 ねむって いたの。

 さくらいろの もうふに くるまって

 しずかに ねむって いたの。

 いしころさんに

 やさしく まもられながらね。

 

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 いろえんぴつさんの おそばで

 おひるね していたよ。

 虹いろの おようふくを きて

 しあわせそうに

 おひるね していたよ。

 きっと

 春の ものがたりの

 ゆめを みているんだね。

 やさしくって あまーい

 春の ものがたりの

 ゆめを みているんだね。

 

 さっきもね、

 コップさんたちと いっしょに

 うれしそうに ならんで いたんだよ。

 コップさんの おともだちの

 オレンジジュースさんや

 いちごジュースさんや

 レモネードさんの おはなしを 

 たのしそうに していたの。

 だって

 春の

 とーっても あまーい においが

 おへや いっぱいに していたんだもの。

 

 それからね それからね。

 ちいさな ちいさな

 虫さんたちの

 おせなかにも のって

 うれしそうに とんで いたのです。

 どうやら 

 春の おくに から

 ちいさな ちいさな

 虫さんたちと いっしょに

 とんできた みたい。

 だって

 春の お花さんたちの

 かわいい えがお

 かわいい くしゃみも

 かわいい あくびも いっしょに

 のって いたんだもの。

 

 あのね、

 ぼく

 春の あかちゃん

 みつけたよ。

 

 あっちにも

 こっちにも

 たーくさん みつけたよ。

 

 そして そして

   こんにちは!

   いっしょに あびましょ!

 って

 春の あかちゃんたちの

 とーっても かわいい

 おこえが きこえたのです。

 あまずっぱい おこえが

 くすぐったい おこえが

 あっちからも こっちからも

 きこえたのです。

 

 きっと

 春の あかちゃん って

 ニッコリの こころで いると

 みつかるんだね。

 

 たーくさん たーくさん

 みつかるんだね。