空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

みどりいろの カメムシさん

 あのね

 ベランダの はしっこでね

 みどりいろの カメムシさんが

 ねむって いたの。

 

 それが 

 とーっても きれい だったんだ。

 きっと

 みどりいろの ピッカピカの こころで

 ねむって いるんだね。

 みどりいろの おくにで

 あそんでいる ゆめを みているのかしら。

 みどりいろの おやつを

 たべている ゆめを みているのかしら。

 

 もしかしたら

 みどりいろの カメムシさん って

 みどりいろの お国の 

 王子さまや 王女さま

 なのかも しれないよ。

 だって

 すなおで とーっても かわいい

 おかお なんだもの。

 

 おめめも

 お星さまの つぶやき みたいに

 プチュンと ちっちゃくって

 とーっても きれいで

 キラキラ していたの。

 きれいな おうたや

 きれいな おんがくを

 たーくさん もっている からだと

 おもうんだ。

 

 あしも 

 ものすごーく うつくしいの。

 まだ、いちども あるいて いないみたいに

 ほっそり していて

 ほんとうに うつくしいの。

 

 それからね それからね

 さわるとね 

 ツルツル していたんだよ。

 なん百万かいも

 なん千万かいも

 おふろに はいった みたいに

 とーっても ツルツル だったの。

 あまりにも きれいなので

 ぼくの むねが

 キューン って しちゃったよ。

 

 おなかも うすみどりいろで

 ほんとうに うつくしいのです。

 きっと

 からだの なかは 

 きれいな くうきさんで

 いっぱい なんだね。

 きれいな お水さんで

 いっぱい なんだね。

 

 あのね

 ぼく

 みどりいろの

 とても とても きれいな

 カメムシさんを みつけたの。

 

 ツヤアオカメムシ

 っていう すてきな

 おなまえ だったよ。

 

 きっと

 神さまたちが 

 みどりいろさんと いっしょに

 おつくりになった

 宝石さん なんだね。