空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

おかあさんの おさいほう

 ぼくの

 おかあさんが

 おさいほうを してる。

 

 きれいな おゆびで

 きれいな おかおで

 おさいほうを してる。

 

 おかあさんが

 おさいほうを しているだけで

 おへやの なかが

 うつくしく うつくしく

 かがやき だすよ。

 まぶしいくらいに

 かがやき だすよ。

 

 おにわの お花さんたちも

 こびとさんたちも いしころさんたちも

 おかあさんの おさいほうを

 しずかに みてる。

 うつくしい お姫さま みたいだね って

 うっとり しながら みてる。

 

 かぐさんたちも コップさんたちも

 やさしい 天使さん みたいだね って

 うれしそうに うれしそうに

 にこにこ しながら みてる。

 

 ぬいぐるみさんたちは

 ますます ふっくら ふくらむの。

 しあわせそうに しあわせそうに

 ふっくら ふっくら ふくらむの。

 しあわせの お国に いるみたいだね って

 ふっくら ふっくら ふくらむの。

 

 それからね それからね。

 おかあさんが

 おさいほう していると、 

 とおくの どこかで

 うつくしい 虹さんも かかるのです。

 おおきくって うつくしい 虹さんが

 たくさん たくさん かかるのです。

 むこうの お山さんたちも

 ずーっと むこうの 海さんたちも

 なないろの まばたきを するよ。

 ピタピタ ピュンピュン って 

 うつくしい うつくしい

 なないろの まばたきを するよ。

 きっと、お空も お山さんたちも 海さんたちも

 おかあさんの おさいほうが

 すごーく すごーく

 だいすき なんだね。

 

 お星さまたちも おうたを うたいだすんだよ。

 うつくしい おこえで

 うつくしい おうたを

 しずかに しずかに うたいだすんだよ。

 もしかしたら、

 お星さまたちも

 おかあさんの おさいほうが

 だいすき なのかしら。

 だいすきで だいすきで 

 しかたが ないのかしら。

 

 ぼくの

 おかあさんが

 おさいほうを してる。

 

 きれいな おゆびで

 きれいな おかおで

 おさいほうを してる。

 

 おかあさんが おさいほうを

 しているだけで

 まわりも このせかいも

 しーん と しずかに なるよ。

 

 とても とても しずかで

 とても とても きよらかな

 

 うつくしい うつくしい

 天上の お国に なるよ。

 

 やさしい やさしい

 天上の お国に なるよ。

 

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