空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

イスさんが あるいたら

 イスさんが あるいたら

 どこへ おでかけ するのかしら。

 すぐそばの こうえんの

 ベンチさんの ところへ

 あいに ゆくのかしら。

 むこうの えきの

 イスさんたちの ところへ

 あいに ゆくのかしら。

  こんにちは! 

  いっしょに おさんぽ しませんか?

 って

 ルルルン ラララン

 おさそいに ゆくのかしら。

 

 コップさんが あるいたら

 どこへ ゆくのかな。

 むこうの お池さんの ところまで

 ゆくのかな。

 とおくの 海さんの ところまで

 ゆくのかな。

 そして

 みんなで ゆうらり ゆうらり

 おうたを うたったり

 おひるねを したり

 アイスクリームを たべたり

 するのかしら。

 

 ハブラシさんが あるいたら

 きっと

 草さんの ところまで

 はしって ゆくかもしれないよ。

   わーい! 

   みどりの においだぁ!

   すてきだなぁ!

 って

 ぴょん ぴょん

 うれしそうに はねるかも しれないよ。

 だって

 ベランダで ハブラシさんに

 ひなたぼっこを させてあげたらね、

   草さんの においって

   すてきだなぁ!

 って

 ひとみを とじて

 ウットリ していたもの。

 

 それからね それからね

 いろえんぴつさんが あるいたら

 虹さんの おうちまで

 あそびに ゆくと、おもうんだ。

 だって

   虹さんは ぼくの

   しんゆう なんだよ。

 って

 なつかしそうな おかおで

 おしえて くれたもの。

 

 おぼうしさんが あるいたら

 風さんと たびに

 でるのかも しれないな。

 ながーい ながーい たびに

 でるのかも しれないな。

 さっきもね、

 風さんと おぼうしさんで

 たびの おはなしを

 たのしそうに していたよ。

 

 みーんな みーんな

 あるいたら

 このせかいの いろーんな みーんなが

 あるいたら

 たのしいだろうなぁ。

 みちを あるいていたら

 いろーんな みんなと であえるし、

 おともだちにも なれるね。

 

 でも...

 ぼく、みんなが あるいて

 どこかへ いって しまったら

 こまっちゃうな...

 みんな いなくなって しまったら

 こまっちゃうな...

 

 あ、そうかぁ!

 きっと、

 みんな やさしいから

 どこへも いかずに

 じっと してくれて いるんだね。

 

 とーっても やさしい きもちで

 ニコニコ ニッコリ

 じっと してくれて いるんだね。