空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

アリの みーちゃんが いいました   

 アリの みーちゃんが

 ぼくを みて いいました。

   きみは お菓子さん なの?

   なんだか あまーい においが するよ。

 って にっこり しながら いいました。

 

 バッタの たけしくんも

 ぼくを みて いったの。

   きみは お山さん だろう?

   だって、こーんなに おおきいんだもん。

   みどりの においだって するよ。

 って おめめを まあるく しながら いったの。

 

   きみは おんがくさん だよね?

   ほら、いつも いつも

   おうたを うたっているし、

   ダンスだって じょうず なんだもの。

 って いってくれたのは

 かたつむりの さちおくん なんだ。

 

 ちょうちょうの マリさんも 

 ぼくを みて つぶやいたんだよ。

   きみは きみは

   ええーっと ええーっと

   風さんの こども かしら?

   だって

   ときどき ビューン ビューン って

   はしって いるんだもの。 

 って、ちょっぴり おくびを かしげてね。 

 

 いしころの トムくんは

   きみは お日さまの おまごさん でしょ?

   きみが そばに いると

   ふんわーり あったかよ。

   春みたいに ふんわーり あったかいよ。

 って、しあわせそうに いってくれたの。

 

 でんしんばしらの まさおさんが

 いったのはね。

   きみ って もしかしたら 

   ゆうびんポストさんの

   おまごさん なのかも しれないなぁ。

 って。

 きっと、ぼくの

 おぼうしと かばんと おくつが

 まっ赤 だからだね。

  

 それでね、ぼく

 お空に きいて みたのです。

   ぼく って なあに?

 って。

 そうしたらね そうしたらね。

   きみは、

   草さんで、みみずさんで、コップさんで...

   ボールさんで、トカゲさんで、

   タツノオトシゴさんで、えんぴつさんで...

   このせかいの

   いろーんな みーんな なんだよ。

   そして そして

   このせかいの ぜーんぶの みーんなと

   おともだち なんだよ。

 って おおきな えがおで いってくれたの。

 

 もう、ぼく

 すごーく すごーく

 びっくり しちゃったの。

 ほんとうに ほんとうに

 びっくり しちゃったの。

 

 そしてね

 そしてね

 

 ものすごーく うれしかったんだ。

 ものすごーく たのしかったんだ。

 ものすごーく しあわせだったんだ。

 

 だって、なんといっても

 いろーんな みーんなと 

 このせかいの ぜーんぶの みーんなと

 おともだち なんだもの!