空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

おんがくさん

 おんがくさん って

 すごいなぁ!

 うつくしい 風さんに なって

 ぼくを はこんでくれる。

 どこまでも どこまでも

 はこんでくれる。 

 虹さんたちの おくにへ

 お星さまたちの おくにへ

 お空の はての はてまで

 ぼくを はこんでくれる。

 

 おんがくさん って

 やさしいなぁ!

 やさしい こころで

 ぼくを つつんでくれる。

 ちょうちょうさんの ゆめの ように

 小鳥さんの ゆめの ように

 ゆうやけさんの ゆめの ように

 やさしい こころで

 ぼくを ふんわり つつんでくれる。

 

 おんがくさん って

 ふしぎだなぁ!

 だって

 みんなの ことばが

 おんがく みたい なんだもの。

 おはなしの ことばだって

 おてがみの ことばだって

 おはがきの ことばだって

 あったかーい おんがく

 みたい なんだもの。

 

 ぼくの みるもの

 ぼくの さわるもの

 みーんな おんがく してる。

 コップさんは

 きらきらの すきとおった

 おんがく してるし、

 ノートさんは

 さらさらの まっしろな

 おんがく しているよ。

 つちさんだって

 あったかーい モコモコの

 おんがく しているの。

 きっと

 みみずさんや もぐらさんと いっしょに

 おんがく している からなんだね。

 

 そして そして

 どんなときも 

 ぼくの からだの なかに

 おんがくさんが いる。

 ぼくの からだの

 はしっこの はしっこまで

 あふれる くらいに

 おんがくさんが いる。

 うつくしい えがお

 やさしい えがお

 あったかい えがお

 いてくれる。

 

 それにね

 ぼくの 

 おめめも おみみも おはなも

 おてても あしさんも 

 まつげさんだって

 ほっぺさんだって 

 おんがくさん みたいに

 うたってるの。

 うれしそうに

 たのしそうに

 しあわせそうに

 いつも いつも うたってるの。

 ニッコリの おうたをね。

 

 あ、そうかぁ!

 きっと ぼくは、

 おんがくさん なんだね。

 

 そして

 そして

 

 きみも このせかいも

 このせかいの

 いろーんな ぜーんぶの みーんなが

 うつくしい うつくしい

 おんがくさん なんだね。