空へ ひろげて

空を眺めるのがだいすきな、わたしの空への手紙です。

さん さん さん

 あのね、

 ぼく

 みんなを よぶときに

 「さん」 を つけるのが

 だいすきなの。

 

 だって

 みんな ほんとうに すてき なんだもの。

 みんな ほんとうに えらいんだもの。

 

 けさもね、

 ちっちゃな クモさんと

 であったの。

 いつも おにわの かたすみで

 くらしている クモさん なんだ。

   クモさん、おはよう!

   きょうも げんきで いようね!

 って

 あいさつを したらね、クモさん

 こっちを むいて

 とっても うれしそうだったんだ。

 パーッと かがやいて

 とっても うつくしかったんだ。

 

 いつもの こみちの でんしんばしらさんに

   でんしんばしらさん、

   きょうも いっしょうけんめいに

   おしごとを してくれて

   ありがとう!

 って

 てを ふったらね。

 でんしんばしらさん、むねを はって

 はりきって いたよ。

 カッコよかったなぁ!

 

   えんぴつさん、

   きょうも よろしくね! 

 って

 いったらね。

 えんぴつさん

 ものすごーく たのしそうに

 絵も 字も かいて くれるんだよ。

 すてきでしょ!

 

   いしころさん、

   きょうも いいおてんきだね!

 って

 いったらね。

 いしころさん

 ますます きれいな えがお

   ほんとうに いいおてんき ですね!

   きょうも みんなが

   しあわせで ありますように!

 って

 おててを あわせて

 ピッカリ かがやいて いたの。

 

 「さん」 って

 ふしぎな ことばだね。

 ほんとうに ほんとうに

 ふしぎな ことばだね。

 

 だって

 みんな えらいなぁ!

 みんな すごいなぁ!

 みんな すてきだなぁ!

 って

 ますます おもえるんだもの。

 

 さん さん さん

 さん さん さん

 

 めだかさん カメさん ハエトリグモさん

 オルゴールさんに めぐすりさん、 

 ぞうきんさんに ハンカチさんに ふきんさん、

 タニシさんに ミジンコさんに...

 そして そして

 めには みえない

 ちっちゃな ちっちゃな いろーんな みんな。

 

 さん さん さん

 さん さん さん

 

 「さん」 を つけると

 みーんな みーんな かがやくよ。

 まぶしいくらいに

 うつくしく かがやくよ。

 

 みんなを

 もっと もっと

 だいすきに なるよ。

 

 このせかいを

 もっと もっと

 だいすきに なるよ。